Repair

復活!


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18センチの靴。
このぐらいのサイズになるとベビーシューズとは違って、ほぼ大人の靴と同じ構造でつくります。甲革と裏革の間には先芯と踵芯を入れ、大人顔負けにつり込みをして、押し斑まで巻きソールを張ります。違う所は、筋力の少ない子供の足なので中底にはやわらかい革を使って返りの良さを出すぐらいです。
大人の靴をそのまま小さくしてつくり込んだようなものなので、さぞかししっかりつくれていることでしょうと思ってました。
が、、、子供の靴の損傷は激しいです。木登りやスポーツでくたくたになって私の所に帰ってきたので、傷を直し、ソールを直し、出来る限りピカピカに磨いてみました。表面は汚れてましたが、さすがにしっかりした構造でつくったので、アッパーはまだまだ元気でした。
きれいに生き返った靴は、次はサッカーの大好きな弟くんの靴としてまた活躍してくれそうです。
また会う日まで頑張ってきてね!!

ワンストラップ


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三年程前から毎年一足、靴の注文をしてくださっているKさんの初めての注文靴です。

甲がとても薄く、肉質も硬いため、足に合う靴がなかなか見つからず靴選びには大変苦労されている方です。横アーチが落ちてしまい外反母趾があり、合わない靴を履くとすぐに足の裏にマメが出来てしまいます。
このような足で悩まれている方は他にもたくさんいらっしゃると思います。
最初は足を広い面で包めるような一枚甲のスリッポンタイプでつくりましたが、外反母趾で足先の蹴り出す力が弱くなった足では体重が分散されず、2の甲と言われる第2中足骨と中間楔状骨の間あたりと(土踏まずの上あたり)で留めると痛くなってしまいました。
この方のように外反母趾やハイアーチの人はこの骨とリスフラン関節という関節のあたりで炎症や歪みがおきて、痛みのある人が結構いるようです。
甲で押さえられないため、逆に緩めてしまうと第三趾と第四趾がつま先にあたって痛いというとっても難しい足で、この問題を解決すべく、やむ終えず一足目につくった靴を3の甲(足首近くの一番甲の高いところ)で調整出来るデザインにアッパーのデザインからつくり変える、靴の大手術を行いました。

一見簡単そうに見えるデザインの変更ですが、実際にやってみると思うよりはるかに手がかかります。一度ソールを剥がし、つり込みをほどき、分解して、アッパーをミシンで縫い、ストラップを付けてもう一度つり込み、コルクを埋め、ソールを圧着機にかけます。(文章で書くと簡単そうですが・・・)
今度は骨の出ていない場所で留められますし、尾錠なので調整も出来ます。
手はかかりましたが、これで無事に履きやすくなるといいです。

こうして、11足つくる度に足に合った靴が出来上がっていきます。

4足目には来年用のサンダルの注文を頂いたので、その点を考えてより履きやすいKさんの足にぴたり合った素敵なサンダルを届けたいです!