Cross Strap

Pasted Graphic 146
こちらも靴作り初体験のKさんの靴。
足にも色々トラブルのある方でしたので甲のしっかりおさまるデザインをお勧めしたのですが、
だからこそ既成靴では見つからない、丸ぐりのデザインにチャレンジする事になりました。
甲が薄く足が前へ前へと滑ってしまう点や、足の痛みを軽減する工夫を随所にしました。毎回話し合って、初めての靴だけどフィッティングモデルも一から作り直しました。
甲革はカーフ(生後6ヶ月未満の牛革)でも特にソフトな革を、裏は足あたりの良い馬革を使いました。ながーいストラップを真っ直ぐにミシンで縫うのにも苦戦しましたね。長い道のりでしたが無事にちゃんと履ける1足の完成です。

先週末、『靴と共に生きる、を、考える』トークセッションに行って来ました。
そこで、
手作り靴は既成靴の「負」を補っている
という言葉がとても印象に残りました。もちろん、日本の靴産業の中で軸になっているのは既成靴畑ですが、その一方その仕組みでは補えない身体性や責任、未来へと繋がる事柄とは、手作り靴で一人一人の足や暮らしを考えて作っていく手段でしか、なし得ないのだと思います。
このイベントはmogeworkshopのモゲさんとシューフィルの城さんのお二人が主催され、昨年末から恒例になっていますが、私も出来るだけ参加して、自分の手で頭でこれからの生き方、暮らし方を考えていきたいと思っています。