One day

Pasted Graphic 30

 
工房の壁に「自分の手で靴をつくりたい人、募集!」のポスターを掛けました。
不思議そうな顔をして前の道路を通る人が多かったので、少しは分かりやすくなったかしら。

今日はそんな工房で作業をしていたら、一台の廃品回収車が通りました。
黙って作業を続けていると、やっぱり聞かれました。

「壊れたミシンはありませんか?」

いやいや、みんな現役です。工房には、いつも使っているSEIKOのポストミシンの他に、以前職人さんから受け継いだ古い足踏みの腕ミシンが2台ほどあり薄暗かった事もあってゴミのように見えたのでしょうか?

足踏みミシンは靴の修理の時などに使い易く、大切にしているのですが、元々、電気系統がないためほとんど壊れたりせず、少し調子が悪くてもよく見ると一カ所ネジが緩んでるだけだったりして、自分でも直せちゃうのでとっても役に立っています。
それどころか、古い腕ミシンのが糸締まりが良く縫い目がきれいなんです。家庭用のミシンやポストミシンが水平釜なのに対して縦釜なのがいいようで、縦釜は釜の中で糸をぐるんと一回転をさせ、上に向かって糸を引く動きとなり、自然に締まって行く感じになります。動きに無理がなく革も痛めずにすむなんて、使い方さえ気をつければ至れり尽くせりのミシンです。

ですから、次に通る廃品回収屋さん、どうか声をかけないでください、ね。

それでは。
おやすみなさい、ディジィー。